Note 09 — 第だい9章きゅうしょう

金铲铲之战 第だい9章きゅうしょう [ 同どう卓たくの友人ゆうじん ── 対戦たいせん相手あいてと協力きょうりょくする条件じょうけん ]

同どう卓たくの友人ゆうじんは麻雀まーじゃんで同おなじ卓たくに着つく関係かんけいであり、味方みかたではない。しかし卡池が8人はちにん共有きょうゆうである以上いじょう、主力しゅりょくを分わける合意ごういだけは温情おんじょうではなく期待値きたいちの問題もんだいとして成立せいりつする──裏切うらぎっても得とくをしない利得りとく構造こうぞうだから、相手あいてを信用しんようする必要ひつようすらない。一方いっぽうで友人ゆうじん対策たいさくへの最適化さいてきかと対たい友人ゆうじん成績せいせきの記録きろくは、測はかるものが行動こうどうを決きめるという理由りゆうで、自分じぶんの順位じゅんいを下さげる。

全ぜん 5 節せつ図版ずはん 8出典しゅってん 0初出しょしゅつ 2026-08-25更新こうしん 2026-08-26
この章しょうに出でてくる用語ようご 11 語ご ── 初はじめての人ひとはまずここを開ひらく
中国語ちゅうごくご読よみ意味いみ
生命值shēngmìngzhíションミンジープレイヤーの体力たいりょく(血量けつりょうとも)。100から始はじまり、対人たいじん戦せんで負まけると減へる。0で脱落だつらく
商店shāngdiànシャンディエン画面下がめんしたに並ならぶ5枠ごわくのカード売うり場ば。毎回まいかい合ごうの頭あたまに中身なかみが入いれ替かわる
刷新shuāxīnシュアシン2金币を払はらって商店しょうてんの5枠ごわくを引ひき直なおすこと。日本語にほんごでは「回まわす」「D(ディー)する」とも
羁绊jībànジーバンシナジー。同おなじ系統けいとうの駒こまを規定きてい数すうそろえると発動はつどうするボーナス。3体さんたい・5体ごたいのような閾値しきいち制せい
星级xīngjíシンジー駒こまの星ほしの数かず。同おなじ駒こま3枚さんまいで2星にせい、2星にせい3枚さんまい(計けい9枚きゅうまい)で3星さんせい。星ほしが上あがるほど格段かくだんに強つよい
卡池kǎchíカーチー8人はちにんで共有きょうゆうする駒こまの山やま札ふだ。誰だれかが買かった駒こまはその分ぶんだけ山やまから減へる
回合huíhéホイフー1ラウンド。準備じゅんび(约30秒さんじゅうびょう)→自動じどう戦闘せんとうの1往復いちおうふく。「3-2」は第だい3阶段の2回にかい合ごう目め
赌狗dǔgǒuドゥーゴウ低てい費用ひよう駒こまの3星さんせいに全すべてを賭かける戦略せんりゃくの俗称ぞくしょう(直訳ちょくやくは「賭博とばく狂きょう」)。等级を止とめて刷新さっしんを繰くり返かえす
九五jiǔwǔジウウー早はやめに等级8〜9へ駆かけ上あがり、4費よんひ・5費ごひの大物おおもので勝かつ戦略せんりゃく。「速そく8」「速そく9」とも
偵察zhēncháテイサツ他ほかプレイヤーの盤面ばんめんを見みに行いく操作そうさ。同おなじ駒こまを集あつめる競合きょうごう相手あいて(同行どうこう)を見みつけるために行おこなう
同行tónghángトンハン自分じぶんと同おなじ駒こま・同おなじ構成こうせいを集あつめている他ほかプレイヤー。卡池を分わけ合あう競合きょうごう相手あいて

意味いみが分わからない語ごに出会であったら、いつでもここに戻もどる。全ぜん用語ようごと全ぜん英雄えいゆうの一覧いちらんは第だい12章じゅうにしょう 図鑑ずかんにある。

01前提ぜんてい ── 同おなじ卓たくに着つく、ということ

FIG-65 同卓ライバル構成で消えるもの残るもの生まれるもの FIG-65 同卓の友人と戦う ─ 何が消え、何が残り、何が生まれるか 2 人で组队して標準模式に入る。味方ではなく、同じ卓に着いた対戦相手になる 消えるもの チーム前提の仕組みは成立しない 生命值の共有 支援(先に勝って助けに行く) チームとしての順位 速勝側 と 耐久側 の役割分担 対局中の情報共有 弈子・装備の受け渡し → 対局中は、完全に独立した   8 人の個人戦になる → 目的関数は「自分の順位」だけ 残るもの 教材の本体は、そのまま使える ・Part 0〜5 のすべて ・弈子と星级、共有卡池(2-1) ・羁绊の閾値理論(2-2) ・装備、経済、等级、符文 ・運営の 3 方針(3-1) ・戦闘の物理と配置(Part 4) ・情報戦(Part 5) → もともと標準模式を土台に   書いてあり、上乗せ層だけが   差し替わる 新しく生まれるもの この構成にしかない 3 つの論点 ① 確定した競合が 1 人いる 他の 6 人は誰が来るか分からないが、 友人だけは最初から分かっている ② 互いを知る相手との直接対戦 構成も配置も知っている相手と当たる。 カウンター技術(4-4)が最も効く ③ 2 視点でのレビュー 同じ対局を 2 人の記録から検証できる。 1 局で 2 人分のデータが取れる → ③ が最大の優位(6-4) 最も重要な帰結 友人を倒すことの価値は、他の 6 人を倒すことと同じ。8 人のうちの 1 人にすぎない ・「友人を狙い撃ちする」動機は弱い。倒しても順位は 1 つしか動かない ・一方、卡池を分け合う互恵の利益は、対局のあいだ継続して効き続ける ・したがって、利害が対立していても「主力を分ける」ことだけは合理的な合意になる(6-2) ※ ただし合意は対局前にしか結べない。対局中に渡せるものは何もない。
図ず 01FIG-65同どう卓たくライバル構成こうせいで消きえるもの残のこるもの生うまれるもの

友人ゆうじんと 2 人ひとで组队(パーティ, zǔduì)して標準ひょうじゅん模式もしきに入はいると、同おなじ 8 人ひとの対局たいきょくの中なかで互たがいに対戦たいせん相手あいてとして戦たたかうことになります。本章ほんしょうはこの関係かんけいを「同どう卓たくの友人ゆうじん」と呼よびます。麻雀まーじゃんで同おなじ卓たくに着つくのと同おなじで、一緒いっしょに遊あそんでいるが、味方みかたではありません。

対局たいきょく中ちゅうの実態じったいは、完全かんぜんに独立どくりつした 8 人ひとの個人戦こじんせんです。生命值は各自かくじのもの(友人ゆうじんが受うけたダメージはあなたに影響えいきょうしない)、順位じゅんいも各自かくじのもの(友人ゆうじんが 1 位いでもあなたが 8 位いならあなたは 8 位い)、そして対局たいきょく中ちゅうに渡わたせるものは何なにもありません。目的もくてき関数かんすうは第だい1章いっしょうのまま ── 自分じぶんの最終さいしゅう順位じゅんいの期待値きたいちの最小化さいしょうかです。

それでもこの構成こうせいには、1 人ひとプレイに対たいして固有こゆうの論点ろんてんが三みっつ生うまれます。確定かくていした競合きょうごうが 1 人ひといること(他ほかの 6 人ひとは誰だれが来くるか分わからないが、友人ゆうじんだけは最初さいしょから分わかっている)。互たがいを知しる相手あいてとの直接ちょくせつ対戦たいせんがあること。そして同おなじ対局たいきょくを 2 つの視点してんから検証けんしょうできること。順じゅんに見みていきます。

実測じっそくで埋うめる

组队して標準ひょうじゅん模式もしきに入はいったとき、必かならず同おなじ対局たいきょくになるか(人数にんずうやマッチングの都合つごうで分わかれないか)は 18.1 版本はんぽんで未確認みかくにんです。対局たいきょく開始かいし直後ちょくごに 8 人ひとの一覧いちらんへ友人ゆうじんがいるかを確認かくにんしてください。いなければ、その対局たいきょくは普通ふつうの 1 人ひとプレイです。

02友人ゆうじんを潰つぶす価値かちは、構造的こうぞうてきに小ちいさい

まず結論けつろんから。友人ゆうじんを倒たおすことの価値かちは、他ほかの 6 人ひとを倒たおすのと同おなじです。 8 人ひとのうちの 1 人ひとにすぎません。狙ねらい撃うちで脱落だつらくさせても順位じゅんいは 1 つしか動うごかず、そのために資源しげんを割さけば残のこり 6 人ひとに対たいして弱よわくなる。一方いっぽう、次つぎに見みる「卡池を分わけ合あう利益りえき」は対局たいきょくのあいだずっと効きき続つづけます。利害りがいが対立たいりつしていても、主力しゅりょくを分わけることだけは合理的ごうりてきな合意ごういになる ── これが本章ほんしょうの中心ちゅうしん命題めいだいです。

利得りとくマトリクス ── これは囚人しゅうじんのジレンマではない

FIG-66 主力を分けるかどうかの利得マトリクス FIG-66 これは「囚人のジレンマ」ではない 裏切っても得をしないため、協調が安定する。約束を強制する手段がなくても成立する 友人が 主力を分ける 友人が 同じ主力を狙う 自分が 主力を分ける 自分が 同じ主力を狙う + / + どちらも在庫を独占できる 2 人とも星级を上げやすい 残り 6 人に対して、2 人とも強くなる ← この 1 マスだけが両者にとって最善 + / − 友人が一方的に損をする 自分は独占できるが、 友人は在庫不足で伸びない = 友人が 1 人沈むだけ − / + 自分が一方的に損をする 相手の在庫を削れるが、 自分の構成は完成しない = 順位は上がらない − / − 共倒れ 在庫を 2 人で分け合い、 どちらも 2 星止まりになる 残り 6 人に対して 2 人とも弱くなる なぜ裏切りが起きないのか ・相手と同じ主力を狙っても、自分の構成が完成しないため、**自分の順位は上がらない** ・つまり「裏切りの利得」が存在しない。協調は温情ではなく、単に得だから選ばれる ※ 相手を 1 人沈めても、順位は 1 つしか動かない(6-1)。8 人のうちの 1 人にすぎない。
図ず 02FIG-66主力しゅりょくを分わけるかどうかの利得りとくマトリクス

第だい3章さんしょうで見みたとおり、卡池は 8 人ひと共有きょうゆうで、同おなじ駒こまを追おう 2 人ひとは共倒ともだおれになります。友人ゆうじんは「確実かくじつに同どう卓たくにいると分わかっている同行どうこう候補こうほ」なので、2 人ひとの選択せんたくは 4 通とおりの結果けっかを作つくります。

  • 両者りょうしゃが分わける ── どちらも在庫ざいこを独占どくせんでき、残のこり 6 人ひとに対たいして 2 人ひととも強つよくなる。唯一ゆいいつの最善さいぜん
  • 自分じぶんだけ同おなじ主力しゅりょくを狙ねらう ── 相手あいての在庫ざいこは削けずれるが、自分じぶんの構成こうせいも完成かんせいしない。得えるものは「友人ゆうじんが 1 人ひと沈しずむ=順位じゅんい 1 つ」、失うしなうものは「対局たいきょく中ちゅうずっと続つづく自分じぶんの弱よわさ」。裏切うらぎりに利得りとくがない
  • 両者りょうしゃが同おなじ主力しゅりょくを狙ねらう ── 共倒ともだおれ。2 人ひととも 2 星ほし止とまりで、残のこり 6 人ひとの餌えさになる

通常つうじょうこの種しゅの状況じょうきょうは囚人しゅうじんのジレンマ(裏切うらぎると得とくだから協調きょうちょうが崩くずれる)になりますが、ここでは裏切うらぎっても損そんです。だから協調きょうちょうは温情おんじょうではなく、単たんに得とくだから選えらばれる。相手あいてを信用しんようする必要ひつようすらありません ── 相手あいてが裏切うらぎった場合ばあいですら、自分じぶんは分わけたほうがましだからです。

FIG-20 カードプールの分割設計 FIG-20 同卓の友人と同じ弈子を追うと、互いの確率を下げ合う 商店は 8 人共有の在庫(2-1)。友人は「確実に同じ対局にいると分かっている競合者」 競合するとき あなた主力 = 弈子 X 同卓の友人主力 = 弈子 X 弈子 X の在庫 結果 在庫を 2 人で奪い合い、どちらも 2 星・3 星に届かない 分けたとき あなた主力 = 弈子 X 同卓の友人主力 = 弈子 Y X の在庫 Y の在庫 結果 互いの在庫を消費しない。どちらも星级を上げやすくなる 分割が生む 3 つの利益 ① 在庫の食い合いが消える ─ 同じ資源で、2 人とも星级を上げやすくなる ② 対局後に 2 視点で検証できる ─ 同じ対局を 2 人の記録から振り返れる(6-4) ③ 羁绊が分かれる ─ 同じ羁绊を 2 人で踏むと、閾値に必要な弈子まで奪い合う(2-2) 分けるべきもの/分けなくてよいもの 分ける → 主力の弈子(主 C)、主軸の羁绊 分けなくてよい → 前列の汎用弈子、費用帯そのもの、装備の種類 ※ 「2 費は君、3 費は僕」のような費用帯での分割は不要。奪い合いが起きるのは個別の弈子と羁绊であって、費用帯ではない。 ※ 完全に重ならないようにする必要もない。主力さえ違えば、脇役が同じでも実害は小さい。 ※ 対局中に相手へ弈子や装備を渡す手段は存在しない。互恵は「事前の取り決め」としてのみ成立する。
図ず 03FIG-20カードプールの分割ぶんかつ設計せっけい

合意ごういは3レベルまであるが、推奨すいしょうは2まで

FIG-67 合意の3レベルと推奨範囲 FIG-67 合意はレベル 2 まで。それ以上は自分の首を絞める 分けるほど良いのではない。分けすぎると、引いた資源に合わせられなくなる レベル 1 主力の弈子だけを分ける 推奨・必須 合意の内容 「僕は○○を主 C にする」だけを宣言し、被ったら片方が変える 効果 共倒れ(FIG-66 の右下)を確実に避けられる。これで利益の大半を取れる レベル 2 主軸の羁绊も分ける 推奨 合意の内容 主 C に加えて、狙う羁绊の系統も重ならないようにする 効果 閾値に必要な脇役まで奪い合わずに済む(2-2)。ここまでが実益のある範囲 レベル 3 費用帯・運営方針まで分ける 非推奨 合意の内容 「2 費は君、3 費は僕」「僕は赌狗、君は九五」まで固定する なぜ悪いか 3-1 で述べたとおり、方針は引いた資源が決める。先に縛ると、良い引きを 捨てることになる。奪い合いが起きるのは費用帯ではなく個別の弈子(6-2) 判断の基準 合意してよいのは「**被ると両方が損をするもの**」だけ。被っても損しないものを分けるのは、自由度を捨てているだけ。 ※ 例外:赌狗 × 赌狗 だけは避ける価値がある。低費用帯全体への在庫圧が強く、主力が違っても互いの刷新効率が落ちる(3-1)。
図ず 04FIG-67合意ごういの3レベルと推奨すいしょう範囲はんい

対局たいきょく前まえの合意ごういは、深ふかくするほど良よいわけではありません。

レベル内容ないよう判定はんてい
1 主力しゅりょくの駒こまを分わける「僕ぼくは○○を主力しゅりょくにする。君きみは?」の 1 往復おうふく必須ひっす。共倒ともだおれを確実かくじつに避さけ、利益りえきの大半たいはんを取とれる
2 主軸しゅじくの羁绊も分わける閾値しきいちに要いる脇役わきやくまで奪うばい合あわない推奨すいしょう。実益じつえきのある上限じょうげん
3 費用帯ひようたい・運営うんえい方針ほうしんまで分わける「2费は君きみ、僕ぼくは九五きゅうご」非推奨ひすいしょう。方針ほうしんは引ひいた資源しげんが決きめる(第だい5章ごしょう)── 先さきに縛しばると良よい引ひきを捨すてることになる

基準きじゅんは一行いちぎょう ── 合意ごういしてよいのは「被こうむると両方りょうほうが損そんをするもの」だけ。被かぶっても損そんしないものまで分わけるのは、自由度じゆうどを捨すてているだけです。例外れいがいが一ひとつ、赌狗 × 赌狗 だけは避さける価値かちがあります。主力しゅりょくの駒こまが違ちがっても低てい費用帯ひようたい全体ぜんたいへの在庫ざいこ圧あつが強つよく、互たがいの刷新さっしん効率こうりつが落おちるからです。

合意ごういは破やぶれます。宣言せんげんした主力しゅりょくがまったく引ひけなかった、転換てんかんした、友人ゆうじん以外いがいに同行どうこうがいた ── いずれもしかたのないことで、方針ほうしんは引ひいた資源しげんが決きめる以上いじょう、合意ごういに固執こしつして沈しずむほうが損失そんしつは大おおきい。破やぶれたことは対局たいきょく後ごに共有きょうゆうすれば十分じゅうぶんです。対局たいきょく中ちゅうに伝つたえる必要ひつようはありません ── というより、対局たいきょく中ちゅうの戦略せんりゃく情報じょうほうの共有きょうゆうは、対戦たいせん相手あいてに自分じぶんの手ての内うちを渡わたす行為こういなので、原則げんそくとして自分じぶんの不利ふりになります。会話かいわは雑談ざつだんの範囲はんいに留とめるのが合理的ごうりてきです。

03直接ちょくせつ対戦たいせん ── 情報じょうほうは増ふえるが、優位ゆういは生うまれない

FIG-68 通常の相手と同卓の友人の情報量の差 FIG-68 友人が相手のときだけ、偵察の半分が最初から済んでいる 4-4 で見る 4 項目のうち、2 つは対局前の合意(6-2)ですでに分かっている 他の 6 人が相手のとき 戦闘が始まるまで、何も分からない ① 主 C の位置 戦闘中に見る ② 前列の厚さ 戦闘中に見る ③ 範囲攻撃・突入 技能を読む必要あり ④ 物理か魔法か 戦闘中に見る 偵察に使う時間 → 戦闘中の後半をまるごと 当たる頻度 → 毎回合、この 6 人のうち誰か 同卓の友人が相手のとき 対局前の合意で、構成の骨格を知っている ① 主 C の位置 戦闘中に見る ② 前列の厚さ 戦闘中に見る ③ 範囲攻撃・突入 既知 ④ 物理か魔法か 既知 偵察に使う時間 → 半分で済む 当たる頻度 → 毎回合およそ 7 回に 1 回 この差をどう使うか ・③ と ④ が既知なので、前列の防御の種類(物理/魔法)を、当たる前から決めておける(4-4) ・ただし使えるのは「その選択が他の 6 人に対しても有効なとき」だけ 最も多い誤り 友人に勝つために盤面を最適化する → 残り 6 人に対して弱くなり、順位はむしろ下がる ※ 友人は 8 人のうちの 1 人。当たるのは全回合の 7 分の 1 程度にすぎない。 ※ 同じことが相手側にも起きている。互いに知っているという状況は、双方向である(本文 §3)。
図ず 05FIG-68通常つうじょうの相手あいてと同どう卓たくの友人ゆうじんの情報量じょうほうりょうの差さ

友人ゆうじんと当あたる回かい合ごうでは、第だい6章ろくしょうの偵察ていさつ 4 項目こうもくのうち 2 つ(範囲はんい攻撃こうげき・突入とつにゅうの有無うむと、物理ぶつりか魔法まほうか)が対局たいきょく前まえから分わかっています。主力しゅりょくを宣言せんげんし合あっているからです。偵察ていさつに使つかう時間じかんが半分はんぶんで済すむ ── ただし、それだけです。友人ゆうじんも同おなじ情報じょうほうを持もっています。 情報じょうほうの優位ゆういは発生はっせいせず、発生はっせいするのは互たがいに偵察ていさつコストが下さがるという対称的たいしょうてきな効果こうかだけです。

この既知きち情報じょうほうを使つかってよいのは、その選択せんたくが他ほかの 6 人ひとにも有効ゆうこうなときだけ。8 人ひと対局たいきょくで友人ゆうじんと当あたるのはおおよそ 7 回かいに 1 回かいで、残のこり 6 回かいは別べつの相手あいてです。友人ゆうじん 1 人ひとのために前列ぜんれつの防御ぼうぎょを偏かたよらせれば、6 回かいの側がわで弱よわくなります。

読よみ合あいは1次いちじで止とめる

FIG-69 読み合いの次数と期待値 FIG-69 読み合いは 1 次で止める 深く読むほど強いのではない。2 次以降は、得られるものがノイズに埋もれる 0 次 ─ 相手を見ない 自分の盤面だけを最適化する。前列と後列を分け、装備を主 C に集める L2 までの標準。ここだけでも十分に戦える 得られる利益:中 1 次 ─ 相手の構成に合わせる ★ここで止める 相手が魔法主体なら魔法防御を厚くする。範囲攻撃を持つなら後列を散らす 4-4 の 4 項目がこれ。友人相手なら、うち 2 項目は対局前から分かっている 得られる利益:最大 2 次 ─ 相手が合わせてくると読む 「魔法防御を厚くされるだろうから、こちらは物理に寄せよう」 相手が本当にそう動く保証はない。当たれば大きいが、外れると 0 次より悪くなる 得られる利益:小 3 次以降 ─ 読みの読みの読み 相手も同じことを考えていると想定して、さらに裏をかく 判断に時間を使う分だけ、備戦の 30 秒が削られる。実質的な損失になる 得られる利益:ほぼゼロ なぜ 1 次が最大なのか 1 次は「実際に見えているもの」に対応する。2 次以降は「相手の頭の中」を推測しており、検証できない。
図ず 06FIG-69読よみ合あいの次数じすうと期待値きたいち

「相手あいてが合あわせてくると分わかっているなら、裏うらをかくべきでは?」── ここには明確めいかくな止とめどころがあります。

  • 0次じ 相手あいてを見みない ── 自分じぶんの盤面ばんめんだけ整ととのえる。これだけでも十分じゅうぶん戦たたかえる
  • 1次いちじ 相手あいての構成こうせいに合あわせる ── 見みえているものへの対応たいおう。利益りえきが最大さいだい。ここで止とめる
  • 2次にじ 相手あいての対応たいおうを読よんで裏うらをかく ── 相手あいての頭あたまの中なかの推測すいそく。当あたれば大おおきいが、外はずれると 0 次つぎより悪わるい
  • 3次さんじ以降いこう ── 考かんがえる時間じかんだけが失うしなわれる

1 次つぎが最大さいだいである理由りゆうは単純たんじゅんで、1 次つぎは実際じっさいに見みえているものに基もとづき、2 次つぎ以降いこうは検証けんしょうできない推測すいそくに基もとづくからです。観察かんさつに基もとづく判断はんだんは当あたり、推測すいそくに基もとづく判断はんだんは当あたらない ── 第だい6章ろくしょうの「体感たいかんだけで同行どうこうを疑うたがわない」と同おなじ原理げんりです。

いちばん大おおきなリスクは技術ぎじゅつではなく心理しんり

友人ゆうじんに負まけたくないという気持きもちは、次つぎの形かたちで順位じゅんいを下さげます。友人ゆうじんと当あたる回かい合ごうに必要ひつよう以上いじょうの資源しげんを注そそぐ。友人ゆうじんの強つよい構成こうせいに対抗たいこうして同おなじものを狙ねらう(共倒ともだおれの再生産さいせいさん)。友人ゆうじんより先さきに落おちたくなくて、順位じゅんいを犠牲ぎせいにする判断はんだんをする。──目的もくてき関数かんすうは自分じぶんの最終さいしゅう順位じゅんいであって、対たい友人ゆうじんの勝敗しょうはいではありません。「友人ゆうじんには勝かったが 7 位いだった」は、定義上ていぎじょうの失敗しっぱいです。

対策たいさくは測定そくていの設計せっけいです。対たい友人ゆうじん成績せいせきを記録きろくしない。 測はかるものが行動こうどうを決きめます ── 対たい友人ゆうじん勝率しょうりつを記録きろくすれば、あなたの脳のうはそれを最適化さいてきかし始はじめます。記録きろくしてよいのは自分じぶんのテーマの達成たっせいだけです(第だい10章じっしょう)。

042視点してんレビュー ── この構成こうせいの最大さいだいの配当はいとう

FIG-70 2視点レビューの4ステップ FIG-70 対局後の 5 分でやること 順番が重要。先に見せ合うと、2 視点であることの価値が消える ① 各自が独立に 3 行を書く 2 分 8-1 の記録テンプレート(テーマ/取りこぼし/次の 1 行)をそれぞれ書く ★ 書き終わるまで、絶対に見せ合わない。先に聞くと、相手の見方に引きずられる ② 突き合わせる 1 分 同じ対局を見ていたのに、何が違ったかを 1 つだけ挙げる 「同じ相手に当たったのに、片方は勝ち、片方は負けた」が最も学びが大きい ③ 卡池の答え合わせ 1 分 「あの弈子、そっちの商店には出てた?」 2 人分の観測を合わせると、誰が何を集めていたかがかなり見える(FIG-71) ④ 次局の合意を更新する 1 分 6-2 のレベル 1(主力を分ける)を、次の対局に向けて決め直す ③ で分かった「他の 6 人が集めていたもの」も判断材料に入る ※ 合計 5 分。これを 10 局続けると、1 人でプレイした 20 局分に相当する観測量になる。
図ず 07FIG-702視点してんレビューの4ステップ

対局たいきょく中ちゅうは独立どくりつ、対局たいきょく後ごは協調きょうちょう ── これが同どう卓たくの友人ゆうじんという構成こうせいの正ただしい姿すがたです。そして対局たいきょく後ごの協調きょうちょうには、1 人ひとプレイでは原理げんり的てきに得とくられない配当はいとうがあります。あなたと友人ゆうじんは同おなじ 8 人ひと・同おなじ卡池・同おなじ相手あいて群ぐんを、2 つの独立どくりつした視点してんから観測かんそくしているからです。

対局たいきょく後ごの 5 分ぶん、4 ステップで回まわします。

  1. 各自かくじが独立どくりつに 3 行ぎょうを書かく(2 分ぶん)── 書かき終おわるまで絶対ぜったいに見みせ合あわない。先さきに聞きくと相手あいての見方みかたに引ひきずられ(アンカリング)、独立どくりつな 2 観測かんそくが 1 観測かんそくに縮ちぢむ
  2. 突つき合あわせる(1 分ぶん)── 同おなじ対局たいきょくを見みていたのに何なにが違ちがったかを 1 つだけ
  3. 卡池の答こたえ合あわせ(1 分ぶん)── 「あの駒こま、そっちの商店しょうてんには出でてた?」2 人ひととも出でていなければ、在庫ざいこが薄うすいことのかなり強つよい証拠しょうこ
  4. 次局じきょくの合意ごういを更新こうしんする(1 分ぶん)── レベル 1 の宣言せんげんを決きめ直なおす
FIG-71 2視点でしか分からない3つのこと FIG-71 1 人では原理的に見えないもの 同じ対局を 2 つの独立した記録で観測できるのが、この構成の最大の価値 自分の商店の履歴 1 局ぶんの標本 友人の商店の履歴 もう 1 局ぶんの標本 合成すると、卡池の実像が見えてくる 「2 人とも出なかった」= 在庫が薄いことの強い証拠 1 卡池の実像 1 人だと、商店に出ないのが「同行のせい」か 「ただの分散」か切り分けにくい(5-1 / FIG-58) 2 人分の観測があれば、切り分けの精度が上がる → 次局の主力選択が、推測ではなく観測に基づく 2 同じ相手に当たった結果の比較 対局中、同じ相手に 2 人とも当たることがある 片方は勝ち、片方は負けた場合、その差が そのまま「何が効いたか」の答えになる → 配置か、装備か、星级か。4-3 の 3 択診断を   2 つの実例で照合できる 3 判断の違いという自然実験 同じ阶段、似た手札で、2 人が違う判断をする (片方は升级、片方は刷新 など) 結果を並べれば、どちらが良かったかを 1 局のうちに比較できる → 1 人だと 2 局かかる検証が、1 局で済む やってはいけないこと ・上手い方が下手な方に教える構造にする → 2 人の見方が同じになり、2 視点であることの価値が消える ・先に結論を言う → 相手の観測がその結論に引きずられる(FIG-70 の ①) ・記録を 1 人がまとめて書く → 独立した 2 つの記録でなくなる ※ 2 視点の価値は「独立していること」から生まれる。独立性が失われた時点で、1 人分の観測に戻る。
図ず 08FIG-712視点してんでしか分わからない3つのこと

2 視点してんでしか見みえないものが三みっつあります。卡池の実像じつぞう(1 人ひとでは同行どうこうか分散ぶんさんか切きり分わけにくい場面ばめんが、2 人ひと分ぶんの観測かんそくで精度せいどが上あがる)。同おなじ相手あいてに当あたった結果けっかの比較ひかく(片方かたほうが勝かち片方かたほうが負まけたなら、その差さ ── 配置はいちか、装備そうびか、星级か ── がそのまま「何なにが効きいたか」の答こたえになる)。そして判断はんだんの自然しぜん実験じっけん(似にた手札てふだで片方かたほうは升级、片方かたほうは刷新さっしんを選えらんだなら、1 局きょくのうちに比較ひかくできる。ただし分散ぶんさんが大おおきいので、同おなじ比較ひかくが 3〜4 回かい貯たまるまで結論けつろんは出ださない)。

独立性どくりつせいを壊こわす行為こういが三みっつ ── 上手うまい方ほうが先さきに教おしえる(2 人ひとの見方みかたが同おなじになり、観測かんそくが 1 人ひと分ぶんに戻もどる。教おしえるならレビューの後あとで)。先さきに結論けつろんを言いう。記録きろくを 1 人ひとがまとめて書かく。──いずれも善意ぜんいから起おきるのが厄介やっかいなところです。

05この章しょうの結むすび

要点ようてん

友人ゆうじんは 8 人ひとのうちの 1 人ひととして扱あつかう。合意ごういは「主力しゅりょくを分わける」の 10 秒びょうだけで利益りえきの大半たいはんが取とれ、それは信頼しんらいではなく利得りとく構造こうぞうが保証ほしょうする。読よみ合あいは 1 次つぎで止とめ、対たい友人ゆうじん成績せいせきは測はからない。そして最大さいだいの配当はいとうは対局たいきょく中ちゅうではなく、対局たいきょく後ごの 5 分ぶんにある。

その 5 分ぶんを含ふくむ練習れんしゅうの設計せっけい全体ぜんたいを、最終章さいしゅうしょう第だい10章じっしょうで組くみ立たてます。